ドローンにはさまざまな規制があります。そもそも、数百g~数kgする物体を上空に飛ばすわけですから、規制によってルールが定められていることもうなずけます。

ドローンに関する規制は一か所からされているのではなく、さまざまな管轄や法律がありますので、今回はドローンに関する規制についてご説明していきます。

すでにドローンをお持ちの方も、これからドローンを購入しようとご検討中の方も、きちんとドローンに関するルールを守って正しい飛行をして安全で楽しいドローンライフを送りましょう。

ドローンの法律による規制

規制といったら法律ですね。ドローン利用者が増えきていることに対して、ドローンに関する法律も制定されていますので、まずはドローンに関する法律をきちんと理解しておきましょう。

航空法|無人航空機の飛行ルール

ドローンに関する規制で一番重要になるものが改正航空法で新たに制定された項目です。これによりドローンも新たに飛行の制限を受ける機体に含まれるようになりました。

また、航空法では対象機体での飛行に許可が必要な区域が定められており、これはドローンを飛ばすうえでもとても重要な内容になりますので、暗記するくらいしておいてもいいと思います。

対象となる機体

航空法で規制を受ける機体は、『無人航空機』と呼ばれていますが、これは「ドローン」「ラジコン」「農薬散布用ヘリコプター」などがあります。

平成29年12月からドローンも規制の対象となりました。また、機体重量が200g未満のものは対象外となりますので、こちらの航空法での制限を受けません。

参考:「飛行ルールの対象となる機体|国土交通省

飛行に許可が必要になる空域

上記の無人航空機は、航空機の航行に影響を及ぼしたり落下した際の危険性が高いため、以下の空域で許可か無く飛行をさせることができません。

参考:「無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について|国土交通省

A:空港等の周辺空域

空港やヘリポートなどの周辺は航空機との接触などの影響が考えられますので、飛行するには許可が必要になります。

どこに空港やヘリポートなどがあるのか?どこまで対象区域なのか?という点については「地理院地図」で表示される緑色の範囲を参考にしてください。

ただし、こちらはあくまでも範囲の参考で、多少の誤差があることも考えられます。もしも対象空域近くの飛行を検討している場合は、事前に飛行場などに問い合わせたり許可を受けるようにしましょう。

B:150m以上の高さ

こちらは、地表・水面から150m以上の高さです。例えば、高さ1,000mの山からドローンを飛ばしたとすれば、そこから上空150mまで許可なしで飛ばせるということになります。

しかし、繰り返しますが、“地表・水面から”150mです。例えばの話ですが、150mギリギリの高度を水平に飛行させていて、途中で30mの谷があったとします。この場合、180mを飛行させたことになるのでOUTです。

このようなことが無いように、高度も100m前後の余裕を持った高さにしてください(慣れないうちは特に)。

C:人口・家屋の密集地域の上空

上でご説明した「地理院地図」では、人口集中地区が赤色で表示されています。こちらは5年ごとに更新されていますが、この人口集中地区の上空での飛行にも許可が必要になります。

また、出先で対象地域を調べるには「ドローンマップ」などのスマホアプリが便利です(iTunes版しか見つかりませんでした…)。

承認が必要とされている飛行方法

また、飛行方法についてのルールもいくつかあります。こちらもきちんと把握しておいてください。

  • 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  • 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
  • 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  • 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
  • 爆発物など危険物を輸送しないこと
  • 無人航空機から物を投下しないこと

こちらは、地方国空局長からの承認を受けることで飛行が認められることもあります。

参考:「無人航空機の飛行ルール|国土交通省

小型無人機等飛行禁止法

航空法とは別に指定された施設および施設周辺でのドローン飛行が禁止されています。こちらは“禁止”なので、上の航空法に反するよりも厳しいものと捉えてください。

また、航空法では対象外だった200g未満のドローンも対象となりますので気を付けてください。

対象施設とは?

ここで言う対象施設とは、

国の重要施設
  • 国会議事堂等
  • 内閣総理大臣官邸等
  • 対象危機管理行政機関
  • 最高裁判所
  • 皇居・東宮御所
  • 対象政党事務所

対象外国公館等
対象原子力事業所

があります。

【参考】
小型無人機等飛行禁止法関係|警察庁
小型無人機等飛行禁止法の概要|警察庁

電波法

ドローンは、無線機を利用して機体を操作することになりますが、周波数帯域によっては電波法に違反するおそれもあります。

ドローンは海外製のものも多いのですが、海外基準のHz数で販売されており、そのまま使ったら電波法違反…ということにもなりかねません。

ドローン利用者は、購入前にきちんと把握しておき、許可の必要性や製品のHz数についてもきちんと調べておきましょう。

免許資格の必要性の有無については以下のリンク先を参考にしてください。

参考:「電波利用ホームページ|総務省

簡単に言うと、比較的に入手しやすい2.4Hz帯のドローンで「技適マーク」というものが付いている場合、資格なく使えるのですが、海外輸入品などで5.8Hz帯になっていたり、「技適マーク」が付いていないものを資格なしに操縦すると電波法違反にもなりかねませんので、購入前や操縦前にきちんと確認をするようにしてください。

このようなこともあるので、ドローンを購入する際は国内にある正規代理店からの購入が安全ですね。

技適マーク

自治体や都道府県からの規制がされることもある

以上が法律によるドローンの規制ですが、他に都道府県や自治体によってドローンの飛行に制限が設けられている場合が多いです。

都道府県や公園、海外でもそれぞれ法律が違います(今回お伝えしている内容は日本国内での規制です)ので、飛ばす前にきちんと下調べをして飛行するようにしましょう。

その場で操縦を止めるように言われるだけならまだいいのですが、海外などの厳しいところであれば身柄拘束や逮捕、罰金などもあり得ます。

さらに、世界遺産などの国の重要文化財などに万が一墜落させて損害を与えた場合、その賠償金ははかり知れません。

世界遺産などを空撮してみたいという気持ちは大変わかりますが、人気スポットなどでドローンを飛ばす場合は事前に十分な確認をするようにしましょう。

ドローンの規制に違反した場合の罰則とリスク

それではもしもドローンの規制を守らず飛行させて、それが発覚した場合にはどのようなリスクや罰則があるのでしょうか?

こちらでは、それぞれの法律で定められている罰則や実際に事件になったドローンの違法飛行などをご紹介していきたいと思います。

ドローンを飛ばす身として赤の他人の出来事ではなく、自分のことのように捉えてきちんと規制を守ったうえでの操縦をするようにお願いします。

航空法違反

航空法|無人航空機の飛行ルール」でお伝えしたルールを守らず、許可が必要な空域を無許可で操縦させた場合、航空法違反で50万円以下の罰金に問われることがあります。

懲役刑はありませんが、起訴され罰金刑を受ければ前科が付くことになります。

たかが無許可での飛行。ではなく、ルールを守らない飛行じゃ法律違反であり罰則もあることをきちんと肝に銘じてドローンを飛ばすようにしてくだい。

軍艦島で無許可ドローン

世界遺産に登録されている端島(軍艦島)の上空を無許可でドローンを飛行させたとして、長崎市の映像作成会社と撮影を依頼した観光船運航会社が厳重注意されました。

軍艦島は長崎市の所有地で上空の撮影には許可が必要とのことです。また、立ち入りにも許可が必要で、墜落したドローンを島に取りに行った際も無断で立ち入っていたとのことです。

参考:「無許可ドローン 軍艦島で飛ばす|毎日新聞

小型無人機等飛行禁止法違反

小型無人機等飛行禁止法」でお伝えした小型無人機等飛行禁止空域でドローンを飛ばした場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に問われる可能性があります。

こちらは懲役刑も設けられています。

首相官邸無人機落下事件

ドローンに関する法規制が整えられるきっかけともなった事件として有名なものです。2015年4月22日、首相官邸の屋上ヘリポートに墜落しているドローンを職員が発見。

また、機体にはプラスチック容器も記載されており、中からは微量のセシウムが検出されました。

犯人は元自衛官の男で、反原発を訴えるために福島の砂を容器に入れたと供述しています。

2015年12月10日には上記でお伝えした改正航空法が施行され、翌年の2016年3月17日には小型無人機等飛行禁止法が制定されました。

参考
首相官邸にドローン|産経ニュース
首相官邸無人機落下事件|Wikipedia

電波法違反

電波法」でお伝えした内容を守らず、違法な電波を無資格で使っていた場合、電波法違反で1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に問われる可能性があります。

ドローン空撮で電波法違反

マラソン大会を空撮するために、ドローンを無免許で扱えない周波数の送信機を取り付けたとして東京都の映像会社と社長が電波法違反の疑いで書類送検されました。

参考:「「ドローン空撮」で電波法違反?弁護士ドットコム

他人に迷惑をかけるリスク

このようになぜドローンにさまざまな規制がされているかと言いますと、一歩間違えれば他人に怪我をさせたり物を壊してしまう危険性があるからです。

1kg程度の物体が空を飛んでいるわけですから、それが人の上に落ちてきたらどのようになるかはある程度想像も付くでしょう。

被害にあった方は怪我を負い、操縦していたあなたは何百~何千万円もの賠償金を払うことになります。

ドローンの技術も日々進化しており、一般的な使われ方以外にも商用目的・事業目的での使われ方も多くあります。

きちんとルールを守らずドローンを飛ばして事故を起こす人が出てくることで、さらに規制は厳しくなり、真面目にルールを守ってドローンを操縦している人の肩身は狭くなります。

そのようなことが無いように今回お伝えした内容はきちんと把握して、ドローンを飛ばす場所に事前にきちんと確認をするようにしましょう。

ドローンの墜落事故

こちらは、業務委託を受けていた業者が起こした事故です。

お菓子をドローンでまくというイベントを行っていたようですが(許可を取っていたかはニュースでは分かりませんでした)、離陸後すぐに機体が不安定になり墜落。近くにいた子供を含む6人が軽傷を負ったとのことです。

人に怪我をさせてしまった場合は、過失傷害などの刑事罰に問われる可能性がありますし、被害者に対する賠償責任が出てくる場合も十分に考えられるでしょう。

参考:「ドローン落下公園でイベント中|毎日新聞

許可を受ければ規制免除されることもある

このようにさまざまな規制が設けられているドローンの飛行ですが、このままではどこも飛行できないのではないか?と思われる方も少なくないと思います。

上記でも少し触れましたが、「航空法|無人航空機の飛行ルール」でお伝えした飛行に規制がされれている空域もしくは制限がある飛行方法はあくまでも無許可での飛行が制限されている空域・方法です。

つまり、許可を受けることができればドローンの飛行も可能になるわけです。

最後にドローンの規制されている空域で許可を受ける方法について解説していきたいと思います。

許可・承認の申請期間と申請場所

規制空域や規制がされている方法での飛行の許可・承認は地方航空局に行います。

地方航空局は東京・大阪に分かれており、管轄は主に東日本・西日本という分けかたがされています。参考:「地方航空局の管轄区域|国土交通省

明確な申請期限は設けられていませんが、10日前までには“不備なく”申請するように提出するように記載があります。混みあうことも予想されますので、余裕を持って1ヶ月くらい前からの申請を行いましょう。

自分だけで申請も可能

地方航空局への許可・承認は自分で行うことも可能です。

国土交通省のホームページでは「許可・承認手続きについて」のページが準備されており、申請書のフォーマットも用意されていますので、内容を熟読の上申請書の作成に取りかかってください。

自分で申請を行うことにより当然費用はかかりませんし、ドローンに対する知識が身につきますし、次回以降の申請も楽になってくるでしょう。

一方で、時間がかかったり内容が難しくて挫折してしまう人もいます。そのような人のために申請代行をしている行政書士もいますので、依頼するという方法もあります。

行政書士への依頼も可能

上でお伝えしたように、行政書士に申請代行を依頼することも可能です。

提出書類は正確なものになりますし、手間も省けるという点はメリットですね。

一方で当然ながら費用がかかることがデメリットです。行政書士にもよりますが、だいたい5万円前後が申請代行の費用相場となっています。

また、専門家に任せることによって自分自身に知識や経験が身につかないというところも大きなデメリットでしょう。

単発でドローンの撮影を依頼されたような場合は別ですが、ドローンの撮影などを業務としていたり、自分でドローンを持っていて今後も申請をすることがあるような方はまずは自分でやってみることをおすすめします。

また、人に申請してもらったことにより当事者意識や危機感が薄れ、結果的に事故に繋がること可能性も高くなるのではないかと思います。

このようなことから、行政書士への依頼はそこまでおすすめできません。ご自身できちんと調べながら申請をしていきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

このようにドローンに関する規制はさまざまなものがあります。冒頭でもお伝えしましたが、重さ1㎏前後ある機体を空に飛ばしているわけですから、他人に迷惑をかけないようなルールが作られていることも当然です。

もしもルールを守らずドローンを飛ばす人がいて、事故などが起こるようでしたら今後も規制が厳しくなっていくと思います。

今回の記事をご覧になった皆さんは、きちんとルールを守って安全に最善の注意を払ってフライトさせるようにお願いします。